鉄道沿線別テレビ視聴データ分析レポート ～ テレビ視聴に映る地域のライフスタイルと情報接触 ～

本レポートでは、関東圏9鉄道路線（京王線、京急線、京葉線、西武新宿線、総武線、中央線、田園都市線、東武東上線、日比谷線）におけるリアルタイムのテレビ視聴傾向を分析し、沿線ごとに異なる生活スタイルや情報接触行動を可視化します。

鉄道沿線ごとにテレビ視聴の量、視聴の時間帯（生活リズム）や視聴番組の傾向が異なることは、スポンサーのメディア戦略はもとより、OOH広告（屋外広告）ビジネス事業者にとっても重要な示唆をもたらします。本稿では、沿線別の傾向を「総視聴量」「時間帯別」「チャンネル別」「曜日別」など多角的に分析し、地域ごとの“視聴のかたち”を立体的に捉えていきます。
（著者：TVS REGZA株式会社 石川 賢一、編集/校正：犬塚 茜） 

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期間：2025/4/7 05:00:00 ～ 4/13 28:59:00
地域：関東 (1都6県)
調査対象機器：対象期間・エリアにおいてデータ利用許諾を得た機器 (約150万台)
路線：京王線、京急線、京葉線、西武新宿線、総武線、中央線、田園都市線、東武東上線、日比谷線

・ライブ率：対象機器の総視聴時間 ÷（対象時間尺 × 対象機器数）… テレビがリアルタイムに視聴された時間の割合を示す指標
・ライブ指数：各沿線のライブ率 ÷ 9沿線の平均値（1.00が基準値）… 各沿線のテレビ視聴の量を全沿線平均と比較する相対的な指標
・沿線：各路線の停車駅から半径１km圏内を「沿線」と定義。調査対象機器に登録された郵便番号が、当該圏内に含まれている機器を沿線に存在するテレビとして集計

１．郊外型沿線／都市型沿線で異なる生活者の情報経路と生活リズム
２．沿線で大きく異なるチャンネル嗜好
３．放送時間帯で見える沿線生活者の番組嗜好
４．まとめ 〜視聴データが教えてくれる、地域理解のヒント〜
５．読者の皆さまが本データを活用いただくシーン

データ①：１週間全時間帯トータルのライブ指数

 
データ②：平日時間帯別のライブ指数

 
データ③：土日時間帯別のライブ指数

※赤：テレビ視聴が多い、青：テレビ視聴が少ない
 
 
＜総評＞
東武東上線、田園都市線、京葉線、京急線などの郊外の住宅地に繋がる路線では、ライブ指数が9沿線の基準値（1.00）を上回りました。これらの沿線は住宅街の特徴を強く持ち、住民構成はファミリー層・高齢層の比率が高く、在宅率も相対的に高い傾向にあることが考えられます。
こうした属性のテレビ視聴行動は、朝のニュース・情報番組、日中のワイドショーや連ドラ、夕方以降のゴールデンタイム番組まで、安定した視聴が見られ、テレビが“生活リズムの中心”として機能している様子が伺えます。
 
一方、中央線や日比谷線といった都心部を通る路線では、ライブ指数が0.86～0.92と、9沿線の基準値を下回る傾向が見られました。これらの沿線は地価が高く、単身世帯や共働き世帯の割合が高い地域であり、在宅時間が短いこと、テレビ以外のメディアを使った情報収集が習慣化していることの影響などが考えられます。
しかし、これらの沿線でも深夜帯にかけてはライブ指数が基準値に近づく時間帯もあり、他路線と比較して遅い帰宅時間や夜型の生活リズムがテレビ視聴に現れています。
 
＜時間帯別＞
時間帯別の視聴に着目すると、各沿線の特徴が浮かび上がります。
・平日朝（5～8時）… 京葉線・総武線・東武東上線が高く、郊外の情報番組視聴が活発。
・日中（9～15時）… 主婦・高齢者層がメインの時間帯は田園都市線の視聴が多い。
・夕方～夜（16～22時）… 中央線・日比谷線を除き安定的だが、特に東武東上線や京急線で高水準。
・深夜帯（23時以降）… 中央線・日比谷線で緩やかな上昇。若者の“ながら視聴”も想定される。
 
こうしたデータからは、曜日別の編成を意識した広告投下の最適化を考慮すべきことがわかります。また、地域行事や季節イベントと連動させたキャンペーン設計にも、曜日別傾向は有効に活用できる可能性があります。
 
次に、沿線別のチャンネル視聴傾向を検証します。 
生活者が好んで視聴しているチャンネルは、沿線ごとに大きく異なることがわかります。 

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